導入費無料。その分多くの制約も
OTAが提供する、自社公式サイト向け宿泊予約システムはエージェントと契約していれば、導入費・月額費が無料です。
一定の情報量を掲載することが可能で、管理画面もOTAを利用している施設様であれば、問題なく利用できるため、特に自社宿泊予約システムに費用を掛けたくない方向けのシステムといえます。
もちろん大手検索サイト同様のプラン提供も可能なため、面倒な運用の手間を掛けたくない施設様にとってはとても重宝されます。
在庫も共有されるため、各エージェントでの在庫管理に追われる手間が一部省けることも、この宿泊予約システムの特徴です。
長所の部分は非常に魅力的ですが、この宿泊予約システムの最大の難点は、OTAとの「在庫共有」を強いられることです。
特に繁忙期や休前日等の予約が埋まりやすい日程でも、在庫共有をしなければなりません。
このような時期に、ネットエージェント経由の予約を入れることはすなわち、エージェントへ高い送客手数料を払わねばなりません。
本来支払う必要の無いコストを支払うことになってしまうのです。
特に在庫共有している場合、ユーザー目線ではエージェントが設定するポイントや特典が要因で予約するユーザーが多く、いくら自社公式サイトで頑張っても、エージェント経由の予約が多くなってしまう傾向にあります。
OTAが無料で提供する宿泊予約システムは、もちろん無料でも成り立つ仕組みがあり、限られた情報量しか提供できないシステムとなっています。
これは大きな問題が2点あります。
まずはOTA経由で、情報収集のため自社サイトを見に来るユーザーは9割いますが、限られた情報しか掲載できなく、自社での予約決定率も下がってしまうことになります。当然です。
また口コミや様々な写真の掲載で、OTAの情報提供量の方が多い場合、永遠にエージェント経由の予約で高い送客手数料を払い続けるということになってしまいます。
そもそもOTAが、無料システム提供により自社の収益が見込めなければ、提供することはまずありえないでしょう。